治験を希望される皆様へ

治験とは

 
ひとつのお薬が私たちの手元に届くには、どのくらいの時間がかかるかご存じですか?
実に10〜15年という長い年月を経て、国の厳しい審査を通ったものだけが薬として世に出るのです。
まず、さまざまな化合物の中から薬の候補を見つけ、いろいろな動物において有効性や安全性などを詳しく調べ、薬として最もふさわしいと期待される物質を選びます。そこで病気の治療に役立つことが期待されると、健康な方や患者さんにご協力をいただき、人における有効性や安全性を調査する必要があります。なぜなら、人間と動物では体のしくみが異なりますので、動物での結果をそのまま人間にあてはめることはできないからです。
お薬の候補を厚生労働省に医薬品として認可してもらうために適正なルールに従って行う臨床試験を「治験」と呼んでいます。
 
治験には、以下の3段階の試験があります。

Phase1(第I相試験):

健康な成人の方を対象に開発中の薬剤を投与し、その安全性と体内での吸収・分布・代謝・排泄などを調べる試験です。一般的には成人男性を対象にした宿泊(2泊3日から1カ月程度)を伴う試験が実施されています。最近では、女性や65歳以上の方を対象にした試験も増えてきています。
 

Phase2(第II相試験):

比較的少数の患者を対象に第Ⅰ相試験で安全性が確認された用量の範囲で薬剤を投与し、その安全性、用法(投与回数、投与期間、投与間隔など)、用量(最も効果的な投与量)を調べます。


Phase3(第III相試験):

多数の患者を対象に薬剤を投与し、第II相試験よりさらに詳細な情報を収集しそれまでに検討された有効性と安全性を確認します。